この記事では

・ガンプラを撮影すると安っぽく写ってしまう
・高級感を出す撮影方法が知りたい
・黒い布や紙を背景にしてもどうもしっくりこない

という方のために、写真撮影の際にガンプラ作品の高級感を演出するおすすめの背景を紹介します。カメラや照明を買うより安く、しかし写真のクオリティが格段にアップする、そんな背景を紹介します。

◆高級感を出すには黒がいい

色彩心理学では高級感を感じさせる色として黒が挙げられます。黒は他に神秘、洗練、優雅、力強さ、といった印象を見る人に与えるとされ、マーケティングやブランディングにおいて広告イメージやブランドロゴに活用されています。

わかり易いところだと、高級時計の広告では背景に黒色が用いられていることが多いですよね。またトヨタ自動車の高級車ブランドであるレクサスのロゴは、黒を基調にデザインされていたりもします。

黒は周囲の色を引き締めて目立たせる色でもあります。ガンプラ作品を際立たせる色としては最適な色といえるでしょう。

◆手持ちの黒い紙や布では真っ黒に写らない?

ガンプラ作品を際立たせる色として黒の背景がいいのは良しとして、実は写真撮影する際に黒を表現するのは意外と難しいです。

身の回りにある黒いものを見てみてください。黒だと思っていても、実は光が当たっている部分は、その反射で真っ黒ではなくなっているんです。

背景になる紙や布も同じで、光が当たればそれが反射し、真っ黒には写ってくれません。これでは黒が持っているイメージがぼやけてしまい、作品を際立たせることはできませんよね。

◆ハイミロンで真っ黒背景を手に入れる

というわけで、プロカメラマンの撮影現場では、真っ黒背景を作り出すために光の反射率が少ない起毛感のあるペーパーや布が用いられます。

おすすめはハイミロンという素材です。大きな手芸店に行けばこの素材の布を取り扱っていると思います。僕は手芸店で90cm☓100cmを2,000円弱で購入しました。ネットでも販売されていますが、繊細な生地なので実際に目で見て購入することをおすすめしたいです。

というのも、僕がハイミロンを手芸店に買いに行ったときのこと。生地はロールに巻いて綺麗に保管してあったのですが、ほんのわずかなヨレがあり、波状にシワが寄っていたのです(店員さんは輸送時などにちょっとした圧力が加わった部分がヨレになるのだと言っていました)。

後述するように基本アイロンNGの素材なので、シワはできるだけないほうがいいと思います(←といっても、光が反射しないのでシワも目立たないのですが)。生地の状態を買う前に目で見てチェックすることをおすすめします。

◆取り扱いの注意点

ハイミロンの起毛部分はナイロンの粉を吹き付けたもので、ノリで下地に定着しています。ですので、水洗いや有機溶剤を使うドライクリーニングはNG。アイロンもかけられません。

また、ホコリや手の皮脂などが付きやすいので、繊細な取り扱いが必要です。ホコリや皮脂、ペットの毛などが付いてしまった場合は、粘着性の低いテープでトントンと優しく叩くようにして取ってやるといいでしょう。

保管はロール状に巻いて行い、立て掛けておくと自重で生地にヨレが発生する可能性があるので、横に寝かせておくのが良いと思います。また、起毛部分に癖がつかないよう上に何かを載せたままにするのもやめましょう。

◆実際に撮影してみよう

では、実際にハイミロンを背景に撮影していきましょう。今回の撮影方法は簡単。上の画像のように、段ボール箱からハイミロンを垂らして撮影しただけです。

ライティングは左側から柔らかい自然光が差し込んでいて、右側に障子があるので、左から差し込んだ自然光が反射してバルバトスの背面にも柔らかく当たっているという状態です。

ハイミロンを背景に撮影したMGガンダムバルバトス
ハイミロンを背景に撮影したMGガンダムバルバトス
ハイミロンを背景に撮影したMGガンダムバルバトス

どうですか?上の写真は手元にあった第一世代のiPhone SEで行っています。充分に高級感が出ていると思いませんか。もちろん、加工はかけていません。高価なカメラや照明を使わなくても、ここまでいけます。

また、1枚目の写真は左肩の後ろに布のたわみがあるのですが、全く目立っていません。多少のたわみやしわがあっても、気にしないで撮影に使えそうです。

次は、カメラを一眼レフに変えて、ストロボを直当てして撮った写真です。こちらも加工なしです。ストロボの強い光を当てても、背景はブレずに真っ黒!!撮影していて面白いです。

ハイミロンを背景にガンプラを撮影すると、反射してしまう黒と比べて2割増しでかっこよく見えます。

ぜひ試してみてください。


※繊細な生地なので、実際に生地を見てシワやヨレがないか確認することをおすすめしますが、手芸店がお近くにない方はネットで購入することも出来ます。基本的に光を吸収する素材なのでシワやヨレがあっても目立ちません。


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